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第28回淡水翁賞(平成23年度) 


第28回淡水翁賞

第28回淡水翁賞の受賞者が決まりました。

 2012年2月29日(水)に第28回淡水翁賞選考委員会が開催されました。淡水翁賞は1983年に若手の金工作家の方を奨励するために設けられた賞で、今回で28回を数えます。45歳以下という年齢制限を設けていますが、金属素材を使った作品であれば、どのような作品を制作している方でも応募頂けます。  
 今回は力のある11名の作家の応募がありました。応募作品を通覧すると、オブジェ、伝統工芸、クラフトやジュエリーなど、鍛金、鋳金、彫金、七宝など様々な技法を駆使した個性豊かな作品が集まりました。その中から、第28回淡水翁賞に下記の4名が選出されました。
 選に漏れた方も、造形、技術とも素晴らしいものがありました。淡水翁賞は年齢制限はあるものの、何度でも応募することが出来ますので、再度、チャレンジして頂くことを願っています。


【最優秀賞】1名

手銭吾郎 
Fumble」「Spindly」ほか(銅、ステンレスほか)

寸評
 手銭氏は明確な制作意図を持っている。手銭氏の作品を見ると、変形絞り技法による有機的なパーツとヘラ絞り技法(スピンニング)による無機的なパーツを組み合わせて、その意図を見事に造形化していることが分かる。造形の面白さと高い技術力を知る素晴らしい作品である

手銭吾郎 Fumble

写真撮影:丸子成明

手銭吾郎 Spindly

写真撮影:丸子成明

Fumble
H840×W220×D320mm
銀・銅・ステンレス

Spindly
H840×W240×D320mm
銅・ステンレス


【優秀賞】3名


坂井直樹 
「湯のこもるカタチ」「象嵌鐵花器釣石畳紋」ほか(鉄ほか)


寸評
 坂井氏は、鉄という素材にこだわっている。金を失う「鉄」ではなく、金の王なる哉の「鐵」の字を使うところにもそのこだわりが感じられる。

 坂井氏の「湯のこもるカタチ」は一見鋳造の鉄瓶のようだが、鍛造による用と美を兼ね備えた器で、鉄という冷たく重い金属が、暖かく軽やかに存在する。鉄という素材の特性を活かし、デザインも良い。

坂井直樹 湯のこもるカタチ

坂井直樹 象嵌鐵花器釣石畳紋

湯のこもるカタチ
W16×H22×D16cm
鉄・錆着色・漆

象嵌鐵花器釣石畳紋
W35×H16×D11cm
鉄・銀・青金・真鍮・錆着色・漆


小林京和 
Kシリーズ」「SOMNIUMシリーズ」ほか(ステンレススチールほか)


寸評
 小林氏の「
Kシリーズ」「SOMNIUMシリーズ」は、ステンレススチールのワイヤーを幾何学的に組み合わせて、立体化したジュエリーであるが、それを手にとると掌中のオブジェと化す。装身具としての機能性と美しさの調和がとれた素晴らしい作品である。

小林京和 K choker type 1

小林京和 K brooch type 13

小林京和 SOMNIUM   object type 2

"K"choker type-1
(kelvin/ケルヴィン)
『絶対零度』
90×200×250mm
ステンレス・スチール/チタニウム

"K"brooch type-13
(kelvin/ケルヴィン)
『絶対零度』
60×60×60mm 
ステンレス・スチール/ガラス球

 SOMNIUM " object type-2  
(ソムニウム)『夢』
100×240×330mm
ステンレス・スチール


小久保光将 
「さんかくのうつわ」「
Tape Dispenser」ほか(青銅、錫合金ほか)


寸評
 小久保氏の作品は、青銅や錫合金を鋳造して、使うことができ、また見た目にも美しい工芸作品に仕上がっている。鋳肌の美しさを見せながら、幾何学的な美も兼ね備えた新鮮な造形は、鋳造作品の新たな拡がりを感じさせる。

小久保光将 さんかくのうつわ

小久保光将 desktop bronze

さんかくのうつわ
W130×H115×D110mm
cast bronze, cast pewter, tin leaf

desktop bronze
W319×H251×D113mm
cast bronze



淡水翁賞選考委員
宮田亮平(東京藝術大学学長)
中川 衛(金沢美術工芸大学教授)
原田一敏(東京藝術大学教授)
佐藤一策(財団法人美術工藝振興佐藤基金理事長)
佐藤昭壽(財団法人美術工藝振興佐藤基金理事)